延寿寺(えんじゅじ)は、滋賀県彦根市にある臨済宗永源寺派の寺院である。山号は永明山。本尊は観世音菩薩。
歴史
749年(天平勝宝元年)行基によって創建されたと伝えられる。元は天台宗に属していた。中世になり一時荒廃するが、文明16年(1484年)に延寿寺内の静林寺が復興。この時期に蜷川親元が延寿寺内で歌を詠んだという記録が残る。
その後戦国時代から安土桃山時代にかけて、兵火により焼失するが、江戸時代に入り臨済宗永源寺派の禅師円光の弟子が入山し、臨済宗に改めて再興された。
延寿寺村
荒神山の麓に位置する当寺とその周辺は、江戸時代から明治7年(1874年)まで延寿寺村を形成していた。村は延寿寺領の二石余を除き、彦根藩領であった。
延寿寺村は明治7年に塚村、下平流村と合併し、寿村となる。寿村は明治12年(1879年)に合併により稲里村になり、稲里村は明治22年(1889年)に稲里村を含む9ヶ村の合併で稲枝村になる。稲枝村は昭和30年(1955年)に3ヶ村の合併により稲枝町となり、昭和43年(1968年)に彦根市に編入された。
文化財
- 彦根市指定文化財
- 木造十一面観音菩薩坐像 - 鎌倉時代前期に造られた檜材の坐像。像高33.8センチメートル。昭和56年(1981年)6月10日、市の文化財に指定。
- 木造仏頭 - 南北朝時代に造られた檜材の木造仏頭。総高23.3センチメートル。菩薩像の頭部だが、体部以下は欠失している。昭和56年6月10日、市の文化財に指定。
所在地
- 滋賀県彦根市稲里町2523
脚注
参考文献
- 『日本歴史地名大系 第二十五巻 滋賀県の地名』平凡社、1991年2月20日、844頁。
- 『角川日本地名大辞典 25 滋賀県』角川書店、1979年4月8日、109,148-149頁。
- 『新修 彦根市史 第12巻 便覧・年表』彦根市、2013年3月29日、40-41,282頁。
- 『新修 彦根市史 第1巻 通史編 古代・中世』彦根市、2007年1月31日、575-576頁。
外部リンク
- 延寿寺
- 延寿寺公式ブログ
- 彦根市の指定文化財一覧
関連項目
- 柳田聖山 - 当寺の生まれ。




